自分は自分だけのもの
性加害とは、被害者の身も心も壊すことだと思う。
性犯罪で用いられるグルーミング(わいせつ目的を隠して子どもに近づき手なずけること)という用語を、恥ずかしながら初めて知った。自分の精神を守るため、自分は被害者ではないと自身に思いこませてしまうメカニズムという。なんとも残酷だ。
大切な少年期に、夢と引き換えに心身を搾取されるという、まったく必要のない経験をし、トラウマとなるなんて、想像しきれないが、胸が強く痛む。やりきれない。被害を告白した方たちはおそらく、話しながら当時のフラッシュバックに強く苦しんだことだろう。その勇気と覚悟に頭がさがる。
そして、この状況を知りながら黙認している多くの人たち。黙認は加担と同じだと思うが、彼らやその組織が守りたいものは、一体何なのか。
自分の身体も心も自分だけのものだ。誰にもそれを侵害する権利はない。
被害に遭った方たちが、今後の人生を少しでも心穏やかに過ごせることを強く願う。